観光ガイドブックの山形「観光」ーるるぶ山形における観光スポット30年
0.はじめに
このブログでは、山形の「観光」スポットについて、いろいろな角度から調べたことを発信する。
一風変わった山形観光のブログとして読んで頂けると幸いである。
1.観光ガイドブックを読む
さて、山形の観光スポットを調べるといっても、観光スポットがどこかわからない。観光というと、非日常を味わうために、自分の住んでいる場所ではない、別の場所に行ってそこの観光スポットを見ることが普通だろう。住んでいる場所を観光するというのは、あまりないのではないだろうか。自分の住んでいる場所の観光スポットに行ったとしても、それを観光というのだろうか。このように考えると、自分の住んでいる場所の観光スポットがわからないというのは普通のような気がしてきた。
しかし、それではこのブログが始まらない。
そこで、今回、山形の観光ガイドブックを読み、山形の観光スポットがどこかを調べようと思う。しかし、近年のガイドブックをだけを読むだけでいいのだろうか。観光スポットは、時代によって変化したりしないのだろうか。新しく観光スポットができたり、それまで観光スポットと紹介されていたところが紹介されなくなったりすることはないだろうか。せっかく読むのだから、観光ガイドブックにおける観光スポットの変遷についても調べたい。
山形県立図書館で山形の観光ガイドブックを調べると『るるぶ山形』の蔵書が30年間分あった。他のガイドブックでこれより長い蔵書はなかった。今回は『るるぶ山形』で観光スポットを調べ、その変遷についても考えていきたい。
『るるぶ山形』を実際に見たところ、山形県内の数多くの観光スポットが紹介されていた。そのすべてを調べるのは、時間的に不可能なので、実際に観光に行くのにアクセスがし易い山形市内の観光スポットに焦点を当てたい。また、観光スポットも飲食店も数が多くなり、開店・閉店したりと動きが大きいので外し、「みる」というカテゴリーの観光スポットだけにした。
2.30年間における観光スポットの2つの傾向
『るるぶ山形』を読んでみると、観光スポットにも2つの大きな傾向があるように感じた。*1
1つめは、「30年間ほぼ毎年紹介されているもの」や「紹介されない期間が数年あるが再び紹介されるようになるもの」などの観光スポットの紹介の「基盤」としてある観光スポットである。これには、文翔館や山形市郷土館、霞城公園、山形県立博物館、山形県教育資料館などが当てはまる。
2つめは、「1回だけ紹介されたもの」や「数年間だけ紹介されたもの」、「数年間紹介されているもの」、「新しくオープンしたもの」などの短い期間で消えたり現れたりしている「流動的」な観光スポットである。実際、1990年代から2000年代中盤までは、唐松観音堂や専称寺といった寺などもよく紹介されていたが、2000年代の後半以降はまったく紹介されなくなった。山形美術館や最上義光歴史館も2010年代の前半までは、頻繁に紹介されていたが、水の町七日町堰や洗心庵、紅の蔵などが2010年代の前半にオープンすると、山形美術館や最上義光歴史館は紹介されなくなり、水の町七日町堰や洗心庵、紅の蔵が主に紹介されるようになった。
3.今後の展開
『るるぶ山形』でどのように観光スポットが紹介されているのか、その内容までは踏み込めなかった。次回、内容の変遷にも焦点を当てていこうと思う。まだ、資料編は続く。
付録.山形市内の観光スポットランキング
下記が『るるぶ山形』における30年間の山形市内の「みる」観光スポットの紹介回数のランキングである。今回は10位以内だけを提示する。なお、観光スポットの情報は別の記事で紹介するので、この記事では観光スポットの名前だけを記すだけにしたい。一応、HPへのリンクは貼っておく。
10位 紹介回数4回
やまがた伝統こけし館
なんと2017年3月15日閉館してしまっていた。
www.kankou.yamagata.yamagata.jp
9位 紹介回数5回
紅の蔵
洗心庵
紅の蔵は飲食店のためカウントするか迷ったが、複合施設のようで、カウントすることにした。
8位 紹介回数7回
唐松観音堂
www.kankou.yamagata.yamagata.jp
7位 紹介回数8回
www.kankou.yamagata.yamagata.jp
水の町屋七日町御殿堰
6位 紹介回数13回
山形県教育資料館
5位 紹介回数14回
山形県立博物館
4位 紹介回数16回
山形美術館
3位 紹介回数17回
最上義光歴史館
2位 紹介回数20回
山形市郷土館
山形市郷土館(国指定重要文化財・旧済生館本館) — 山形市役所
1位 紹介回数22回
文翔館
*1:山寺は毎年詳しく紹介されているので調査対象から外した